”もみじケアっこだよりR2年6月号”より
2020-06-01
廿日市の桜もどこも満開になってきました。本来ならさくらまつりや各地でお花見など春を感じる楽しい季節のはずなのに、こんなに寂しい気持ちの桜を見ることになろうとは誰が予想したでしょう。
新型コロナウイルスの世界的なまん延のニュースを毎日見るたびに思うことは、この世に預言者などいないということ。未来が見えるなんて能力は人間には備わっていないのだ。昨年末に『日本の論点2020』という本を買って読んでいたがその本の中にはコロナのコの字も書かれていない。やれ、2020年の株価は上昇するだの、東京オリンピックによる経済への影響だの、今となっては予想大外れの本になってしまった。もう続きは読まないだろう。
また、怖いのはこういう時に人は正しいであろう行動がなかなかとれないということ。マスクさえしておけば大丈夫と手洗いうがいを怠り、デマに踊らされトイレットペーパーを買いあさり、外出を自粛するよう要請されても夜の街に出かけている。まさか自分だけはかからないだろうという慢心や自分のところさえ満たされていればいいという自己中心的な考えが至るところに見られる。国で言えば自国第一主義みたいなもので、自分さえよければの考えが現代社会の中では主流になってしまっている。トランプ大統領を批判しながらもトイレットペーパーを買いあさった人がいるとしたらおかしな話である。
人類は今までも梅毒、結核、コレラ、エイズなどの病気に勝ってきた。今回もきっと治る病気になるに違いない。そうなるまで一人でも犠牲者を少なくする努力をしなければならない。一人ひとりが問題を自分のことと捉えて、自分が被害に合わないのではなく、自分が被害を与えてしまわないように意識して行動したいものである。
「(もう)だいじょうぶだぁ!」と言える日が早く来ますように。
吉村隆裕
